2010年09月02日
WEB技術から見た編集の将来 ++ セマンティックWEBで可能になるサービスから考える ++
8/25に発行した当社メールマガジン「出版業界を生き抜く! 「ネット活用研究所」メルマガ」中の記事をご紹介します。よろしければ、メルマガ、こちらからぜひご登録ください。
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現状のWEBでは、検索エンジンで「東京の名所」という検索をかけた場合、検索対象に「東京」「名所」というキーワードが含まれていないとヒットしません。
つまり、六本木ヒルズや東京タワーと言った東京の名所として知られるスポットのコンテンツがあっても、該当するキーワードをページに含んでいなければ、いくら充実したページでも検索エンジンは認識することができません。
セマンティックWEBでは六本木ヒルズや東京タワーという名詞にも、東京の名所という意味を持つことをコンピュータに理解させることが可能になります。
つまり、先ほどの検索でも、これらのコンテンツがしっかりとヒットするようになります。
セマンティックWEBは遠い夢物語のように思われるかもしれませんが、2012年3月頃に勧告予定のHTML5で、実現に近づくことになります。
では、これが実現したときにはどのような状況になるのでしょうか?
これについて、サイトの構築、運用上、気になる意見を参考にご紹介します。
・今までのような、小手先のSEO対策の効果の低減
検索エンジンは、これまでは、文章に書かれた言葉そのもの、キーワードを検索対象にすることができなったので、さまざまなテクニックがはびこっていました。しかし今後は、ページに書かれた文章の意味を重視してページのランク付けを行うようになるため、よりページのコンテンツが重要になってきます。
・ユーザーが必要とする情報を先読みして提供するサービスの増加
WEBサイト内にどのようなコンテンツがあるのかが把握できるため、検索ワードに対して、ユーザーの求めそうな情報をサイト側が提案してくるようなサービスが増えてくるのではないかと思います。
例えば、「英会話 テキスト」で検索した場合、現状では、単純に英会話のテキストを単純にならべるだけですが、合わせて英会話教室の情報や留学情報、英語圏への旅行情報まで、提示してくれるようなサービスが増えてくるのではないでしょうか。
どちらの予測でも正確なコンテンツ作りをおこない、優良な情報をユーザーに届けるための準備を行っていくことが不可欠となります。その中でも、サイト全体の構成と1ページ毎の情報の整理が重要になってきます。
今行える準備としては、たとえば掲載している書誌情報について、ジャンルわけを明確にし、どのようなことについて書かれていることなのかを整理していくことが必要となります。まさに編集ですね。
また、さきほどの「英会話 テキスト」の例で言えば、実現のためには、コンテンツに関連したさまざまな会社や事業と連携していくことも必要となります。これは、事業を編集する、と言えなくもありません。
編集能力をこれまでと違ったところにも活用していくことが必要となる時代を迎えようとしているということでしょうか。
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(寺島)
2010年08月20日
ブログと書籍の売上の相関についての研究ご紹介
この記事は、「出版業界を生き抜く! ネット活用研究所メルマガ」8月10日号から転載しています。
ブログの口コミがアップされることで、本が認知され買われ、それが口コミになり、また本が売れる、というポジティブ・フィードバックが効いたら、あるいは、口コミ数の増加を元に重版部数を決めることができたら、とても効率的なマーケティングが可能になるでしょう。
今月書いたクライアントレポートでは、書籍の売上とブログに書き込まれた数(言及数)の関係を、東京工業大学大学院総合理工学科で研究していることを知りましたので、その3本の論文を紹介しています。
また、研究結果を踏まえた、本の口コミマーケティングを考えてみました。
研究論文の内容ですが、1本目は、2009年度のベストセラー6点について解析しており、本のジャンル毎で売上と言及数の相関の大きさが違うことが観測されています。
また、2本目では直木賞・芥川賞について、受賞前・受賞後での売上・言及数の変化を解析しています。
さらに3本目では、夏の文庫フェアのアイテムで、売上に先行して言及が増えるという現象が起きていないかを調査しています。
これらの論文はまさに学術論文だったので、かなり読み込むのに苦労しました。また、現場の感覚としては、これらの論文で解析している対象では、なかなか売上と言及数の相関は見えにくいのかな、とは思いました。
しかし、このような試みが、効率的なマーケティング手段の発見につながるのではないかと思います。
引き続き、この研究室の取り組みはウォッチしていきたいと思っています。
今回のクライアントレポート7月号にご興味がおありでしたら、mm[at]dcube.co.jp ([at]は@に置換してください)にその旨お申し付けください。レポートの全文PDFをお送りします。
その際、当社の「出版業界を生き抜く! ネット活用研究所メルマガ」をまだご購読いただいていないようでしたら、お手数をおかけしますが、あらかじめ、こちらのメルマガ登録ページからお申し込みください。よろしくお願いいたします。
(寺島)
2010年07月23日
自社サイトが注目
このところオウンドメディア、という言い方がネットマーケティング分野で聞かれるようになってきました。要は自社メディアのことで、概ね自社サイトのことです。
これに呼応して、ペイドメディア、アーンドメディア、というものもあり、それぞれ広告媒体、ソーシャルメディア(≒口コミ)、を指します。
ペイドメディアが新聞に限らず効きが落ちてきたり、ネットでアーンドメディアの力が非常に強くなってきた中で、オウンドメディアだけが自分が好きなようにコントロールできるメディアであること、また、投資効果が蓄積でき、さらにそれが測定できること、などからオウンドメディアの果たす役割が増してきているのではないか、という問題意識が広まってきているようです。
何冊か本も出てきているので、それらを読み込んで、出版社さんとしてどんなことが考えられるのかまとめてクライアントレポートを書こうと思っています。その時は、こちらでも告知しますので、ご期待ください。
(寺島)
2010年07月15日
1ヶ月空いてしまいました
ごぶさたしてしまい申し訳ありません。
このところお引き合いが多いのと、メルマガで書いているとで、なかなかこちらに書くネタがなくて止まってしまっていました。
そろそろ何か書かないと、と思っていたところで、個人のツイッターでちょっと書いた、直接出版社さんのお役立ちネタではないのですが、ちょっと興味深くお読みいただけるのかな、というものがありますので、これをアップします。
たまたま楽天ブックスを見ていて、ある本の在庫部数の表示があったのですが、「残り後○個です」という表示になっていました。本に対して残り○個はないですよね~。
そこで、アマゾンを調べたら「○点在庫あり」となっていました。「点」もアイテムを指すような気がして落ち着かないと感じます。
ちなみにセブンネットショッピングは在庫数表示はありませんでした。
とはいえ、アマゾンにしても楽天にしても、いろいろなアイテムを扱っているので、本は「部」なり「冊」を入れるとして、CDだと「枚」とかになるし、アマゾンはさらにギターの弦やら調理器具、種などもあって、どう数えたものか。商品カテゴリごとに切り替えるのも面倒ですよね。
日本語は不便です。
(寺島)
2010年06月14日
書店さんのネット活用
このエントリは、先週木曜日に発行した当社のメルマガの記事を若干加筆して掲載しています。
先日、出版社のホームページでどんな情報があると書店員としてうれしいか、というテーマで、複数の書店員さん(大手チェーンの方2名、都心の小書店の方1名、販促会社の方1名)に当社にお越しいただき、ヒアリングをしました。
かいつまんで内容をお話しすると、大手書店の方は、普段、定点観測的に出版社サイトを見るわけではないが、問い合わせを受け困ったときに参考にする、という意見が強く、一方、小さい書店さんでは、注文書は便利、ということをおっしゃっていました。やはり大手書店は小書店さんと異なり版元や取次のフォローも手厚いので、積極的に情報を取りに行くというスタンスではないようです。
出版社が力を入れている本かどうかを知るのに、出版社の特設サイトがあるかないかはひとつの判断材料にする、とのことで、出版社サイトの情報が薄いと売りにくい、との声には、みなさん、うなずいていらっしゃいました。
当社にはLPOという、本のマーケティング企画+特設サイト制作パッケージサービスがありますので、仕掛けたい商品がおありの際には、ぜひ検討ください(笑)。
いずれ、当社では、出版社さんが、書店向けにどのように情報提供をすればいいのか、というテーマでセミナーを実施したいと考えています。
お楽しみに。
(寺島)
2010年05月19日
『親鸞』のフリー戦略実績評価
新文化オンラインに、「講談社『親鸞』、初日に10万弱のアクセス」と出てますね。
これは確かになかなかのアクセスです。
ただ、類似の作品と比べてどうでしょうか? あるいは全15段広告を出しているということに対しての費用対効果という点ではどうでしょうか?
ちょっと考えてみます。
同じ新文化オンラインに、「「死化粧」(渡辺淳一)の無料公開閲覧者数、1日半で1万人突破」ともあります。
『死化粧』の閲覧数というのは、これはアンケート記入をさせた上での数字である一方、『親鸞』では不要で、誰でも見られます。通常、アンケート入力をさせると、アクセスの2割~3割に落ちるのが通例で、し化粧は、アクセス数としては2万~3万はあったのではないかと思われます。
それから、『死化粧』は公開直後は新聞広告なしで、プレスリリースだけでした。『親鸞』は閲覧開始日に全15段広告をかけています。
これらのことを考えると、『死化粧』の方が、閲覧までたどり着かなかったとしても、本の認知、ということでは高い費用対効果を挙げているのではないかと思います。
ただし、絶対数、も大きな指標ですので、最終的には、どの数が今回のキャンペーンで一番重要なのか、ということになります。
ところで、前のエントリでもご案内していますが、今週中に当社メルマガをお申し込みいただくと、既存顧客向けレポート「出版社のフリー戦略」がダウンロードいただけます。このレポートでは、『死化粧』や『FREE』を始めとした、いくつかの事例の比較や、フリー戦略の今後を考えています。
お申し込みをお待ちしております。
(寺島)
2010年05月12日
フリー戦略レポート差し上げます
NHK出版の『FREE』が、フリー理論を実証するかのように始めた、発売前の全文無料閲読などの施策が成功したことで、いろいろな出版社で無料閲読をさせるケースが増えてきました。今日も講談社で五木寛之の『親鸞』の上巻を全文無料閲読させるということで、朝日に全面広告(!)を出していました。
当社では毎月、既存のお客様向けに小レポートを配布していますが、今月配布のレポートは、「出版社のフリー戦略」ということで、このところの著名事例をまとめるのと同時に、今後の展開を少し考えてみました。
このレポートを、このたび当社で配信を開始する「ネット活用研究所」メルマガに5/21(金)までに
http://www.dcube.co.jp/mm/index.html
にお申し込みいただいた方に、PDFファイルを特別に差し上げます。
メルマガ自体も、貴社のお役に立つと思いますので、この機会にぜひお申し込みください。
(寺島)
2010年05月07日
早速のLPO事例
先日、LPOの概要をご紹介するエントリをアップしましたが、今回は、その後、リリースした最新事例をご紹介します。
メトロポリタンプレス様で刊行された期待の新刊『ゲーテに学ぶ 賢者の知恵』で、この本では、ゲーテの名言を集め、簡単な解説をつけています。そこで、この本で紹介しているゲーテの名言をツイッターアカウントを立ち上げて配信し、この本への認知を広げる施策をとっていただきました。
ツイッターは一つの書き込みで最大140字までと制約が大きいのですが、名言は字数が少なく、また、転送も容易ということで、今回のような用途には向いているメディアと言えます。さらに、日本のツイッターサイトの訪問者は、今年の2月で750万人を超えたという調査も出ており、現在、このゲーテの名言アカウントへの登録者は順調に増えています。
加えて、さまざまなキーワードで検索エンジン広告も出稿し、認知度向上を狙っています。これで新規の潜在読者へのリーチがコンスタントに出来ているようです。
発売とリリースが間もないので売れ行きとしてはこれからですが、参考にしていただけるのではないでしょうか。
(寺島)
2010年04月21日
LPOとは
当ブログの左側に2つ見慣れないボタンがついていると思います。
LPOとメールマガジンのバナーです。
LPOはさておき、メールマガジンについては、特にご説明の必要はないと思います。ぜひご登録ください(^^)。出版社のネット活用についてお考えの方にお役に立つコンテンツをお届けします。5月より配信予定です。
ところで、LPOについては、ちょっと耳なじみのない言葉ではないかと思います。
Landing Page Optimizationの略となります。
逐語的な意味合いでは、ネットで商品の認知を高め、結果に結びつけるお手伝いをする、ということになります。具体的には、本を読み解いて、どのようにすればネットで潜在読者にリーチ出来るかを検討し、それを本の特設ページに落とし込む、という作業を行い、本についての認知・関心を高めることを目指す、というのが典型的な例となります。
大きな成功をした例としては、先日セミナーを行ったみすず書房さんの『フロム・ヘル』が挙げられます。このプロジェクトでは、特設ページだけでなく、ブログを立ち上げたり、コミックのコマを抜いて映画の予告編のようなトレーラーを作ったりしました。
この本はアメリカン・コミックで、みすずさんの典型的な本のように新聞広告で認知を高める施策が打ちにくいということでお話をいただいたのですが、そもそも新聞広告が効きにくくなってきている、という状況もあると思います。
そのような出版社さんの問題意識にそぐったサービスをしていきたいと思っています。
なお、みすず書房の事例については、セミナーの内容をまとめた資料がありますので、こちらのリンクからお申し込みください。
現在、続々と受注しています。近いうちに、さらなる成功事例もまたご紹介できると思いますのでお楽しみに。
(寺島)
2010年03月31日
出版流通のセミナーを聴いてきました
今週の月曜、「高円寺純情出版界」の定例会で、河出書房新社常務取締役の岡垣重男氏による「流通現場から見る出版界の歴史と展望」を聴いてきました。
河出書房さんは当社のクライアントで、さらに、岡垣さんには僕の書店時代にもお世話になって、何回か、飲みもご一緒させていただいていました。
ただ、改まって岡垣さんに、このようなお話をおうかがいするのは貴重な機会ということで、拝聴してきた次第です。
お話の中で、書店数が大きく減っているというのには大変驚きました。以前から減っているということは存じていましたが、この10年で35.4%減って、15,000店を切った、という資料を頂戴しました。
それに対して、というところで、最後におっしゃっていた、リアルの書店は読者とのコミュニケーションをとるべき、というお話に感銘しました。その例として、高知の書店の金港堂さんが、『世界文学全集』の予約申し込みを世田谷区の書店全体よりも多く取られた、というものを挙げられていました。
この他、河出書房さんで取り組まれてきた、VANや電子書籍、35ブックスなどの試みは、一出版社というよりは業界全体としてのトピックでもあり、大変興味深くおうかがいいたしました。
その後、2次会の懇親会にも参加したのですが、前半と合わせて3000円というのは安いですね~。わいわい騒いで帰ってきました。
(寺島)



