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2010年09月29日
本のご紹介『大ヒットの方程式』
下記は、9/27配信の「出版業界を生き抜く! ネット活用研究所メルマガ」を若干修正した記事です。
先日、書籍の売上とブログに書き込まれた数(言及数)の関係についての、東京工業大学大学院総合理工学科の研究をご紹介しましたが、それとは別に、9月15日発売で『大ヒットの方程式』(吉田就彦、石井晃、新垣久史)という本がディスカヴァー・トゥエンティワン社から刊行されました。この本でも、口コミなどから定量的に売上の推計などを導き出すことを狙っていますのでご紹介します。
まず「数理モデル」を紹介し、さまざまなイベントや映画で妥当性を検証しています。このモデルでは、被説明変数をブログへの書き込みとし、説明変数として宣伝費や口コミを置いています。この口コミも直接コミュニケーションと間接コミュニケーションで別の変数としています。直接コミュニケーションは、直接知人から知人に伝わるもの、間接は街の噂で伝わるもの、と定義され、この間接コミュニケーションの概念は、この著者のグループが初めて導入したとのことで、食べるラー油、その他、多くの大ヒットで決定的な役割を果たしている、とのことです。
ちなみに、この本におけるモデルの検証は、映画やイベントを中心にしており、ブログの書き込み数と観客動員数は非常に高い相関にあるようです。この点、本については、映画などと違い、購入しただけではなかなか書き込みは発生しないのではないかと思われ、これらのコンテンツより相関は弱くなるのではないかと思います。
さらに、ブログへの書き込みの定性面の影響を評価しようとしています。一つ目はポジティブ・ネガティブ判定(以下PN判定)として、書き込みの全体的な雰囲気からポジティブかネガティブかを判定して、それがヒットとどう関係するのかを見ています。
やはり映画について見たところ、ある程度のヒットまでは、ポジティブな書き込みが多い方がヒットしているけれども、あまりにもヒットすると賛否両論になってくるという結果が出ているとのことです。
二つ目として、ブログに現れる共通のキーワードを集計して頻出語の分析を行っています。単にその映画に直結する俳優やシナリオのキーワードが現れるだけでなく、映画の周辺にある語りたくなる要素が出てくるようだと、売上が上がる傾向が見出されると言うことです。
この2つの定性分析は、本の口コミでも当てはまりそうに思います。
さらに、この本では、これらのモデルの定式化、また事例との検証を通して、具体的な施策の展開をどのように行えば、効率よく口コミが起き、売上が上がるのか、大変興味深い示唆をいくつも提示しています。
本で打てる施策は、ここで主に検討の対象としていたコンテンツビジネスより規模は小さいものが多いとは思いますが、これらの示唆は参考にするところの多く、丁寧に読み込みたい一冊と言えます。
ご参考になれば幸いです。
(寺島)
2010年09月13日
出版社サイトのブラウザ事情
8月のクライアントレポートでは、出版社サイトのブラウザ事情を取り上げました。
現在、主要なブラウザはInternet Explorer、Firefox、Chrome、Safariなどがあります。当社で制作するWebページもおよそこれらのブラウザの最新バージョン、一世代前のバージョンで問題なく見られることを前提に作っています。
今回のレポートでは、これらのブラウザの機能面の特徴、ユーザ層、シェアなどについて、概観しています。
2000年代前半は、Internet Explorerが、約95%という圧倒的なシェアを占めていたのですが、2000年代半ばぐらいからFirefox以下のブラウザがリリースされ、シェアを落としてきています。
また今回のレポートでは、慶應義塾大学出版会様、白桃書房様、かんき出版様のブラウザシェアについて、データをご提供頂き比較しています。大きな傾向としては違わなかったのですが、Internet Explorerの合計の比率や、その中のバージョンの比率で若干の差がありました。
今回のクライアントレポート8月号にご興味がおありでしたら、mm[at]dcube.co.jp ([at]は@に置換してください)にその旨お申し付けください。レポートの全文PDFをお送りします。
その際、当社の「出版業界を生き抜く! ネット活用研究所メルマガ」をまだご購読いただいていないようでしたら、お手数をおかけしますが、あらかじめ、こちらのメルマガ登録ページからお申し込みください。よろしくお願いいたします。
(寺島)
2010年09月02日
WEB技術から見た編集の将来 ++ セマンティックWEBで可能になるサービスから考える ++
8/25に発行した当社メールマガジン「出版業界を生き抜く! 「ネット活用研究所」メルマガ」中の記事をご紹介します。よろしければ、メルマガ、こちらからぜひご登録ください。
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現状のWEBでは、検索エンジンで「東京の名所」という検索をかけた場合、検索対象に「東京」「名所」というキーワードが含まれていないとヒットしません。
つまり、六本木ヒルズや東京タワーと言った東京の名所として知られるスポットのコンテンツがあっても、該当するキーワードをページに含んでいなければ、いくら充実したページでも検索エンジンは認識することができません。
セマンティックWEBでは六本木ヒルズや東京タワーという名詞にも、東京の名所という意味を持つことをコンピュータに理解させることが可能になります。
つまり、先ほどの検索でも、これらのコンテンツがしっかりとヒットするようになります。
セマンティックWEBは遠い夢物語のように思われるかもしれませんが、2012年3月頃に勧告予定のHTML5で、実現に近づくことになります。
では、これが実現したときにはどのような状況になるのでしょうか?
これについて、サイトの構築、運用上、気になる意見を参考にご紹介します。
・今までのような、小手先のSEO対策の効果の低減
検索エンジンは、これまでは、文章に書かれた言葉そのもの、キーワードを検索対象にすることができなったので、さまざまなテクニックがはびこっていました。しかし今後は、ページに書かれた文章の意味を重視してページのランク付けを行うようになるため、よりページのコンテンツが重要になってきます。
・ユーザーが必要とする情報を先読みして提供するサービスの増加
WEBサイト内にどのようなコンテンツがあるのかが把握できるため、検索ワードに対して、ユーザーの求めそうな情報をサイト側が提案してくるようなサービスが増えてくるのではないかと思います。
例えば、「英会話 テキスト」で検索した場合、現状では、単純に英会話のテキストを単純にならべるだけですが、合わせて英会話教室の情報や留学情報、英語圏への旅行情報まで、提示してくれるようなサービスが増えてくるのではないでしょうか。
どちらの予測でも正確なコンテンツ作りをおこない、優良な情報をユーザーに届けるための準備を行っていくことが不可欠となります。その中でも、サイト全体の構成と1ページ毎の情報の整理が重要になってきます。
今行える準備としては、たとえば掲載している書誌情報について、ジャンルわけを明確にし、どのようなことについて書かれていることなのかを整理していくことが必要となります。まさに編集ですね。
また、さきほどの「英会話 テキスト」の例で言えば、実現のためには、コンテンツに関連したさまざまな会社や事業と連携していくことも必要となります。これは、事業を編集する、と言えなくもありません。
編集能力をこれまでと違ったところにも活用していくことが必要となる時代を迎えようとしているということでしょうか。
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(寺島)



