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2006年12月08日
将棋とネット
僕の趣味の一つは将棋なのですが、ネットが将棋に与えている影響も大変大きなものとなっています。
ネットで見知らぬ人と対戦できるサイトで将棋倶楽部24というものがあり、しかもここは無料なので、総本山の日本将棋連盟が立ち上げた有料サイトよりも圧倒的にこちらの方が人気サイトとなってしまいました。もちろん僕も将棋倶楽部24で指していて、その影響で、リアルの将棋道場には、歩いて5分なのに足が遠のいてしまっています。
それから、今年、マスコミ等でも大きく取り上げられた、名人戦をどこの新聞社が主催するか、という問題にも大きな影響を与えたことを知りました。これまで毎日新聞社だったものを朝日新聞社に移管するというもので、実はここにもネットが普及したことの影響があったようです。
この件で、日本将棋連盟と理事会は大変批判されて、信義を取るのか金を取るのかなどと言われました。しかも毎日新聞から朝日新聞に移管すると、いったん収入は増えるものの5年後以降は収入が2億円減るかも知れないという試算までありました(主催と契約金については下記注参照)。
しかし、ここ数年の収入を優先をさせたのだそうです。これは将棋界へのネットの浸透で、これまでプロの将棋は紙媒体かテレビでしか公開されてこなかったものが、ネットで公開されるようになったり(例えば「大和証券杯ネット将棋棋戦」)しつつあること、そして、新聞自体もネットの脅威を受けている中でいつまでも棋戦を主催し契約金を支払い続けてくれるか分からないという危機感があったとのことでした。
将棋連盟の理事がある新聞社の社長の発言を次のように紹介しています。「新聞は近い将来、予想もできない大きな変化に直面する。その変化に柔軟に対応する覚悟が必要だ。」
これを読んでこの理事は「背筋が寒くなる思い」がしたと言っており、大型の棋戦がいきなりなくなってしまうことも想定して日本将棋連盟の理事会が意思決定したことがうかがえます。
さかのぼって、新聞社も、私どもで先日発行しましたDcubeNewsLetterの11月1日号(PDF104KB)でご紹介したような新聞が読まれなくなってきているという統計データが現れてきていることを重く受け止めていることが分かります。
新聞と書籍・雑誌はメディアとしての性質が異なり、新聞の方がよりネットの影響が強いと思いますが、対岸の火事ではないと思います。
(注)プロの将棋の棋戦を主催すると主催者は契約金を日本将棋連盟に支払い、この将棋の棋譜を独占的に掲載する権利を得ます。これが日本将棋連盟の主たる収入となり、ここからプロの将棋棋士は対局料をもらっています。
新聞社はこの棋譜目当てに新聞を買ってくれることを期待して棋戦を主催するわけです。
参考文献:「将棋世界2007年1月号」
投稿者 d3admin : 2006年12月08日 09:11 : カテゴリ プロデューサーの業務日誌
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